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2016年2月アーカイブ
2016.02.10
当研究室M1の上原君の研究成果が、Frontiers in Plant Science誌に掲載されました(Full text, PDF)。シアノバクテリアの重炭酸イオン輸送体BicA及びSbtAを葉緑体内包膜へ導入することに成功した、という論文です。植物の光合成能力をアップさせる一つの方法として「葉緑体の中に二酸化炭素を濃縮する」という方法が有望視されています(解説記事)。そのためには、シアノバクテリアが持つ重炭酸イオン輸送体の葉緑体内包膜への導入がカギとなるわけですが、今までなかなかこれが実現できませんでした。上原君の論文では、複数の輸送シグナルを組み合わせることで葉緑体内包膜に重炭酸イオン輸送体を導入できることを報告しました。Frontiers in Plant Science誌はオープンアクセス誌で、2014年のImpact Factorは3.95程度です。デビュー作としては上出来です。
この論文は1月8日にアクセプトされ、2月2日に掲載されました。そうしたところ、ナント2月3日に他のグループの「重炭酸イオン輸送体を葉緑体内包膜に導入した」という論文が同じ雑誌にアクセプトになりました。いや~、驚きました・・・・。たった一か月とはいえ、先に発表することができてよかったです。
学生が執筆した論文が国際的なジャーナルに掲載されるのは、当研究室では初めてです。後に続く後輩たちにいい刺激になりました。