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宮崎大学農学部 稲葉研究室

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2011.11.21

セミナーの案内【嘉糠洋陸先生・11月30日】

 Schnell先生に続き、11月はもう一人Bigなお客様が来られます。東京慈恵会医科大学教授の嘉糠洋陸(かぬか ひろたか)先生です。

 嘉糠先生とはアメリカでポスドクをしていたころに某所で知り合いました。当時は嘉糠先生もアメリカでポスドクをされていましたが、某所を見て「この人はスーパーマンか!?」と驚いた記憶があります。その予感は間違っておらず、32歳の若さで帯広畜産大学の教授になられた後、グローバルCOEの研究リーダーを務められていたことは多くの方がご存知だと思います。今年の夏には東京慈恵会医科大学に移られ、研究グループがさらに発展することは間違いありません。

 そんな嘉糠先生が、このたび宮崎大学でセミナーをしてくださることになりました。約1年ぶりに聴く先生のセミナーを私自身が一番楽しみにしていますが、皆様のご来聴をお待ちしております。今回は場所が清武キャンパスですので、お間違いの無いようにお願いします。

 

日時:2011年 11月30日(水)16:30~18:00

場所:宮崎大学医学部(清武キャンパス)臨床講義室105教室

講師:嘉糠 洋陸 先生 (東京慈恵会医科大学 医学部 熱帯医学講座・教授)

演題:病原体を媒介するハエのバイオロジー

 

講演要旨

 感染症の本質は、個体と病原体に存在する「侵入する・侵入される」という単純な生物学的関係にあるといえる。感染症に関わる宿主側調節因子や病原性因子が明らかとなり、そこから病原体と宿主間で成立する相互関係が理解されれば、感染症を支える共通フレームの俯瞰に結びつくと期待される。そのためにも、近年の生命情報の革新的進歩を踏まえ、病原体と個体(宿主・媒介者)の“一対一の局面”の中でどのような現象が起きているのか、あらためて見直す必要に迫られている。

 宿主は、病原体に対峙したとき、二通りの異なった抵抗戦略をとると考えられる。侵入した病原体に対して、それらを排除するための「レジスタンス機構」、もうひとつは、その病原性と共存する「トレランス機構」である。前者には自然免疫や獲得性免疫等が含まれるが、後者については、その存在を含め大部分が明らかになっていない。また、一見すると共生関係が成立している関係においても、このレジスタンスとトレランスが複雑に絡み合っていることが徐々に明らかとなってきた。

 我々の研究グループでは、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)を病原体媒介モデル生物として用い、主にトレランスなどの病原体-媒介者間相互作用について研究を進めている。これらのモデル生物を軸に、感染事象を徹底的にマニピュレーションすることによって明らかにした感染抵抗性に関わるメカニズムについて、特にハエ類による病原体の機械的伝播を中心に最新の知見を紹介したい。

 

参考文献

 Shinzawa N. et al., Cell Host Microbe 6: 244 (2009); Kuranaga E., Kanuka H. et al., Cell 126: 583 (2006); Kanuka H. et al., EMBO J 24: 3793 (2005); Kanuka H. et al., PNAS 100: 11723 (2003); Kuranaga E., Kanuka H. et al., Nature Cell Biol 4: 705 (2002); Kanuka H. et al., Mol Cell 4: 757 (1999); Kanuka H. et al., PNAS 96: 145 (1999)

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