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宮崎大学農学部 稲葉研究室

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InabaLab.通信

2010.04.26

岩手&仙台出張 パート1

 4月24日から岩手県と東北大学に出張です。葉緑体の研究がメインなのですが、この時期だけはミトコンドリア研究で用いる材料「ザゼンソウ」に振り回されます。何しろ雪解けシーズンしか開花・発熱しないので、サンプリングや調査はどうしてもこの時期に集中します。

 もちろん、今回の目的もザゼンソウの調査と共同研究先での実験&打ち合わせです。宮崎空港を8:00に出て盛岡駅に13:22着でしたので、思ったよりも短く感じました。宮崎から宅急便で送ったサーモグラフィーを使って調査したら、やっぱり今年も発熱していました!

zazensou発熱中.jpg

 ザゼンソウの研究は岩手大学時代に開始しました。目下のところは、ザゼンソウはどうやって発熱しているのか、が興味の中心です。当初、ザゼンソウには他の植物には無いatypicalな脱共役タンパク質が高発現しているのではないかと考えられていましたが、どうやってもtypicalなものしか見つからない。最終的には、非発熱植物にも普遍的に存在するタイプの脱共役タンパク質が主に発現しているという結論になりました(論文1)。結果的にはエキサイティングでない結論になり、「それじゃ、どうやって発熱しているの?」と振り出しに戻ってしまったわけですが、まずは遺伝子ではなく形から入ってみようということで、形態観察や電子顕微鏡観察をすることにしました。生殖や電子顕微鏡で超一流の仕事をしている東北大・渡辺正夫先生や理研・豊岡公徳先生の力を借りて調べたところ、発熱部位にはミトコンドリアが非常に豊富に含まれていることや、発熱時期に一気に生殖ステージが進むことなどがわかりました(論文2)。この仕事はJ. Exp. Bot.誌に掲載され、表紙にもなりました。幸運にも新聞各誌で紹介され、おかげで私達のグループが発熱分子機構の研究をしていることが認知してもらえるようになったわけです。

 とはいえ、まだ、発熱分子機構が分かったわけではなく、ようやくスタートラインに立ったところです。今年度の実験で、少しでも発熱分子機構の解明に近づけたらと思っています。地元の方のご好意で調査をさせていただいているので、サンプリングだけではなく、議員さんや地主の方にも挨拶をして、成果報告してきました。

 パート2では、東北大・渡辺研訪問を報告します。 

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