文字サイズ小さく標準大きく

宮崎大学農学部 稲葉研究室

稲葉研究室について

トップ研究室について > 研究テーマ

cont_h2-theme.gif

1.プラスチドシグナルによる核遺伝子発現の調節機構

葉緑体に代表される「プラスチド」は、シアノバクテリアが真核細胞に共生することで生まれたオルガネラであると考えられています。もともとプラスチドゲノムが持っていた遺伝子のほとんどは進化の過程で核ゲノムに移ってしまったため、プラスチドの分化は核遺伝子の発現により支配されていると言って過言ではありません。

その一方で、プラスチド自身も何らかのシグナルを核に送り、核遺伝子の発現を調節していると考えられています。こうしたシグナルを総称して「プラスチドシグナル」と呼んでいますが、プラスチドシグナルの伝達機構はほとんど分かっていません。

そこで、私たちは様々な手法を用いてプラスチドから核へのシグナル伝達ネットワークの解明を目指して研究を行っています。特に、今後は葉緑体以外のプラスチドと核間のコミュニケーションにも焦点を当てる予定です。

▲プラスチドシグナル伝達が異常になった変異体(gun1-101 ppi2-2)の胚発生

 

▲プラスチドシグナル伝達系の概要

 

2.葉緑体へのタンパク質輸送の分子機構

植物細胞に特有な細胞内器官である葉緑体は、光合成などの様々な代謝活動の場です。

ほとんどの葉緑体タンパク質は核ゲノムにコードされているため、葉緑体での代謝活動はサイトゾルから葉緑体へのタンパク質の輸送により支えられています。

3000種類を超える葉緑体タンパク質は、包膜上のタンパク質透過装置「Toc-Tic複合体」やその他の経路を介して葉緑体内に取り込まれていると考えられます。

私たちはToc-Tic複合体の作用機構や、「葉緑体内部」におけるタンパク質のターゲティング機構を解析することで、葉緑体バイオジェネシスの理解を目指しています。

 

▲野生株(左)及びタンパク質輸送変異体(中)の表現型と葉緑体の電子顕微鏡写真(右)

 

3.発熱植物における発熱分子機構

日本植物生理学会HPでの研究紹介

植物は動物とは異なり、一般的に体温を一定レベルで維持することはできません。

ところが、我が国や北米に生息する「ザゼンソウ」と呼ばれる植物は寒冷条件下で発熱し、体温を一定に保つことが知られています。この発熱にはミトコンドリアが関与していると考えられていますが、詳細な発熱分子機構は全く分かっていません。

そこで、形態学、細胞生物学、あるいはシステム生物学的手法を駆使し、ザゼンソウやその他の発熱植物における発熱分子機構の解明を目指します。

このテーマは、宮崎大学テニュアトラック機構・稲葉靖子研究室で行っていますので、関心のある方はそちらにお問い合わせください。

 

 

サーモグラフィーで観察した様子  
▲ザゼンソウ ▲ミズバショウ

 

4.植物の低温ストレス応答に関する研究

温帯以北に生息する植物の多くは、ある一定期間、凍結しない程度の低温に曝されると、次に襲ってくるさらに低い温度に対して凍結耐性を獲得します。

これを「低温馴化」と言いますが、この過程で植物は数多くの遺伝子の発現を誘導し、それらがコードするタンパク質の機能により凍結に対する耐性を獲得していると考えられています。

そこで、こうした低温誘導性タンパク質の細胞内局在や分子機能を詳細に解析することで、植物が低温ストレスから身を守る仕組みの解明を目指します。

 

▲低温馴化の有無によるシロイヌナズナの生存率の違い

稲葉研究室について

研究テーマ

メンバー紹介

宮崎大学農学部 稲葉研究室

Copyright © Inaba Lab. Miyazaki Univ. All Rights Reserved.